薬のはなし

2020/06/17 お知らせ

コロナうつを予防しよう

古川:新型コロナウイルス感染症の拡大で今後、どうなるか予想が難しいね。ところで外出自粛で周りの方の日常生活はどう?
野村:学校の休校で自宅待機、そして仕事は自宅勤務となり家族中で巣ごもり状態。またマスク入手のためにドラッグストアを駆け回り開店前から列に並ぶなど、常に何かしらの不安や緊張、制限を抱えた日常で生活リズムが激変している方がいます。
古川:「コロナ疲れ」、「コロナうつ」という言葉がささやかれ始め、こころのバランスを乱す危険性に警鐘を鳴らす専門家もいるね。
野村:不安な気持ちを抱えたままの生活では「気の巡りが悪い」状態となり、ため息、ゲップ、お腹の張るおならなどの症状が現れてきます。気の巡りが悪くなるとうつになると言われます。
古川:こんな時にお勧め薬膳はある?
野村:セロリ、ミント、しそ、バジル、アサリ、しじみなどがお勧めです。これらは気の巡りを良くします。また菊花茶やジャスミン茶もお勧めです。おうちカフェを楽しむのも良いですね。
古川:ホッと一息でき、心穏やかにリラックスしたい時にお勧めの薬膳は?
野村:オレンジやゆず等です。柑橘系の香りがリラックス気分にしてくれます。
古川:GW明けは五月病と言って例年一時的な抑鬱気分になる方が増えるね。今年は「コロナうつ」と相まって、訴える人が多くならないか心配だよ。
野村:一番の養生は、よく寝てゆっくり休む、リラックスする。それからポジティブに考える、人と比べない、ユーモアを取り入れて笑うこと、などでしょう。運動を兼ねて、庭の草取りもいいと思います。腰痛には注意ですが。
古川: 庭やベランダでガーデニングする絶好の季節だね。植物の成長を愛でるとリラックスできるね。
野村:鬱々とした気分を改善する漢方薬には、加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散、柴胡桂枝湯などがあります。自分に合った漢方薬を探すお手伝いができると良いと考えています。
古川:噂では、本町薬局に行くと「気の巡りが良くなる」と(笑)。

古川広志 本町薬局長
野村美絵 薬剤師(漢方薬・生薬認定薬剤師)

ビーツのスパイススープ〜不安・うつに〜
気の巡りをよくする野菜を使ったスープです。良い香りは気分を軽くしてくれます。
〈材料〉(2人分)
ビーツ…130g
タマネギ…60g
にんじん…60g
セロリ…60g
オリーブオイル…大さじ1
クミンシード…小さじ1
塩…少々
こしょう…少々
水…500cc
コンソメ…キューブ3/4
ローリエ…1 枚
シナモン…少々
レモン果汁…小さじ1.5
パセリ…適量
〈作り方〉
1. ビーツ、タマネギ、にんじんは皮をむき、セロリは筋を取り5mm 角の大きさに切る。
2. 鍋にオリーブオイルを入れ、クミンシードを加えて香りが出るまで炒める。さらに1. を入れ、塩、こしょうして中火で炒める。
3. しんなりとしてきたら水、ビーツ、コンソメ、ローリエ、シナモンを入れてふたをして弱火で煮る。
4. 柔らかくなったら火を止め、レモン果汁を加えて味を整える。
5. 器に盛り、パセリを飾る。