大腸がんについて
2018/09/30 お知らせ
大腸がん検診の重要性
治りやすいが、自覚症状が分かりにくい。この30年で患者が5 倍に増え、最も多い癌のひとつが大腸がんです。早期の癌であれば5 年生存率は90%以上と治癒率が高い癌である一方で症状が出にくい為、早期発見が難しい癌とも言われています。今回は大腸がん、大腸がん検診の重要性についてお話しようと思います。
大腸がんの基礎知識
大腸がんは欧米化した食生活の変化と高齢化により徐々に増加しており、特に40歳を過ぎた頃から男女共に増加し、年齢を重ねる毎にリスクは高まっていきます。他に喫煙、飲酒、肥満、運動不足が原因とされています。喫煙は吸わない人に比べると約7 倍大腸がんになりやすいと言われています。飲酒に関しては飲酒量をアルコール23g/ 日以下にすることで大腸がんになるリスクを25%減らせると言われています。23g 相当のお酒はビール大瓶1 本、日本酒1 合、ワイングラス2 杯程度です。高齢化による要因は遺伝子変化の蓄積です。大腸がんは遺伝子変化の蓄積で発生し、高齢化により遺伝子変化が積み重なることで癌化すると言われています。高齢化が進むことで大腸がんの患者は今後、ますます増えていくと考えられます。大腸がんは他のがんと比べ進行が早いわけではありません。突然、大きな癌や進行した癌が出来るのではなく、最初は小さな「ポリープ」と言われるものが、徐々に大きくなり癌化すると言われています。初期の小さなポリープから手術が必要になるまでの期間は約2 年以上と言われています。ただ、早期の大腸がんでは特有の自覚症状が出ません。つまり、症状が出た時にはある程度進んだ状態の癌だということが、非常に怖い点なのです。ですから、症状のない早期の段階で見つけることが重要です。初期症状としては繰り返す下痢と便秘、便に血液が混じる(排便時に痛みはなし)、便意はあるが便が出ないなどです。しかし、いずれも大腸がんに特有の症状ではない為、大腸がん検診を受けて早期発見、早期治療に結びつけるこ(3)2018年7月医療生協だよりNo. 190とが非常に大切なのです。
むさし小金井診療所
吉沢 亮平