所長の思い
2024/01/17 むさし小金井診療所
医療者を含めて他人には、私の身体は実物として現われますが、私の感覚、心、生命、私が私である自覚といった内面は実物として現われません。逆に、自分の眼を見ることは出来ないので、眼を含んだ私の身体は実物として私に現われません。
つまり他人には私の身体は実物、私の内面は実物でなく、反対に自分には、私の身体は実物ではなく内面が実物です。この私と他者の壁のため、私の実物の身体から私の実物の内面を導き出す事は出来ません。
しかし、医療者は人の身体しか扱えませんが、根拠に基づいた医療で、私にだけ現われる痛みやつらさを軽減できる事も多々あります。人の内面は孤高ゆえに絶対的で尊いものですが、背負い切れない痛みやつらさには他者の援助が必要です。