どうなる?介護保険制度
2023/02/15 お知らせ
「介護の社会化」を期待されてスタートした介護保険制度は、3年毎に制度が見直され現在2024年の改定に向けた議論が行われています。今回の改定の問題点や影響について考えていきたいと思います。
改定の1番目が、介護サービス利用の自己負担増です。原則1割負担でスタートしましたが、2015年に単身世帯で年金収が280万円以上の2割負担、2018年には単身世帯で年金収入344万円以上に3割負担が導入されました。次期改定では、収入基準を引き下げ2割・3割負担の対象をさらに拡大することが検討されています。年金収入280万円で生活する方にとって、利用料の2割負担は重いものになります。例えば要介護2の方が支給限度額いっぱい利用した場合は1割負担では約2万円の自己負担が、2割負担では4万円になります。
また、通所介護や通所リハビリテーションなど食事提供のあるサービスでは食事代もかかり、ショートステイなど施設サービスでは食事代に加えて部屋代なども必要です。昨年の10月から75歳以上の医療費窓口負担の2割が導入されました。2割負担となる方の所得水準は同等なので重ねての負担増となります。2割負担の導入基準が引き下げられると医療や介護保険サービスは、ますます利用が困難となります。「介護の社会化」を掲げた制度導入で、介護保険料負担を受け入れた国民の期待を裏切るものです。安心して必要な医療・介護が利用できる制度が切実に求められています。次回は介護を提供する職員の負担増となる施設の人員配置基準の引き下げについてお伝えします。
東京都生協連 会員支援部 齊藤惠子